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論文

Investigation of potential of vacuum-free femtosecond laser sintering for direct printing using silicon carbide nanoparticles without inorganic binder

川堀 龍*; 渡部 雅; 今井 良行; 植田 祥平; Yan, X.; 溝尻 瑞枝*

Applied Physics A, 129(7), p.498_1 - 498_9, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

本研究では空気中におけるナノ粒子を使用した炭化ケイ素(SiC)のフェムト秒レーザー焼結の可能性を調査した。ポリビニルピロリドンとエチレングリコールを含むSiCナノ粒子インクは、780nmの波長でナノ粒子による強い吸収を示した。走査速度1mm/sでは焼結フィルムパターンの表面から底部まで全体が酸化しており、過剰なエネルギー照射により酸化ケイ素が生成したと考えられる。対照的に、走査速度5mm/s及び30$$mu$$mのラスターピッチのレーザー走査で作製されたパターンでは焼結領域が観察され、表面から1.72$$mu$$mを除き、原料のSiCナノ粒子の酸化に有意な差は見られなかった。これらの結果からフェムト秒レーザーパルスの照射は熱の蓄積が少ないため、原料の大気酸化を受けることなく焼結SiCパターンが生成できることが示された。また、X線光電子分光法によって分散剤であるポリビニルピロリドン及びエチレングリコールは焼結に影響を及ぼさないことがわかった。したがって、この真空フリー直接描画技術は積層造形に適用できる可能性がある。

論文

Mass-resolved momentum imaging of three dichloroethylene isomers by femtosecond laser-induced coulomb explosion

和田 資子*; 赤木 浩*; 熊田 高之; 板倉 隆二*; 若林 知成*

Photochem (Internet), 2(3), p.798 - 809, 2022/09

フェムト秒レーザーを用いたジクロロエチレン異性体のクーロン爆発実験をおこなったところ、異性体間で$$^{35}$$Cl$$^+$$とC$$^{2+}$$の異なる質量分解モーメンタムイメージングが得られた。

論文

レーザーによる半導体・誘電体の励起過程の観測とその利用の新展開,2; 膜剥離ダイナミクスから見た透明材料のフェムト秒レーザーアブレーションにおける非熱効果の研究

熊田 高之

プラズマ・核融合学会誌, 96(4), p.176 - 180, 2020/04

AA2019-0379.pdf:0.66MB

フェムト秒レーザーを用いた精密加工技術の高度化を目指す上で膨張波が引き起こす剥離現象(非熱効果)の理解が欠かせない。我々は破壊測定ながら数万ショットの積算測定ができる高感度時間分解反射率装置を開発して、これまで金属・半導体材料でしか報告されていなかった非熱効果による膜剥離現象を透明材料においても新たに観測することに成功した。大方の予想に反し、剥離膜は耐熱材料である溶融石英のみならず熱耐性の低い透明高分子材料においても明瞭に観測されている。両材料の高い高温粘性が熱による膜の断片化を抑制したものと考えられる。

論文

Dynamics of spallation during femtosecond laser ablation studied by time-resolved reflectivity with double pump pulses

熊田 高之; 乙部 智仁; 錦野 将元; 長谷川 登; 林 照剛*

Applied Physics Letters, 108(1), p.011102_1 - 011102_4, 2016/01

AA2015-0725.pdf:1.07MB

 被引用回数:12 パーセンタイル:49.56(Physics, Applied)

ダブルパルスを用いた時間分解反射率測定法により、フェムト秒レーザーアブレーションにおける非熱効果によって膜状に試料が剥離するダイナミクスを調べた。アブレーション閾値以上のポンプ光照射後、剥離膜と母体試料表面におけるプローブ光反射波の干渉による振動が現れる。その振幅は、第1ポンプ光の直後に第2ポンプ光を照射すると増大するが、両光の時間間隔とともに減少し、20ps以上では消滅した。この結果は、第1ポンプ光直後の第2光が膜剥離前の母体試料表面を励起するのに対して、20ps以上離れた第2光は既に剥離した膜を励起したものと考えられる。剥離膜は試料母体との機械的接触を持たないために、膜に付与されたエネルギーは試料母体に散逸することなく、膜表面から激しい蒸発を促し、膜自体を破壊したのであろう。本結果から決定される膜剥離時間は10ps程度と決定され、この値は膜厚と音速によって決定される構造緩和時間20psと実験結果と近い値となることが見出された。

論文

The Observation of a transient surface morphology in the femtosecond laser ablation process by using the soft X-ray laser probe

長谷川 登; 錦野 将元; 富田 卓朗*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 井筒 類*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; et al.

X-Ray Lasers and Coherent X-Ray Sources; Development and Applications XI (Proceedings of SPIE, Vol.9589), p.95890A_1 - 95890A_8, 2015/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:55.4(Optics)

フェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブ計測法を開発し、フェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を開始している。レーザーアブレーション過程は、初期過程における変化が高速(~ピコ秒)である反面、粒子が飛散する過程はマイクロ秒程度と長い時間をかけて行われる。我々は、この様な現象を同一の装置で観測するため、ポンプ光とプローブ光を異なる発振器で発生させることで両者の遅延時間を数ピコ秒の時間精度を保ちつつ、マイクロ秒以上の幅広い時間に対応させた。今回は本システムを用いることで、金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程において、その初期(数ピコ秒)に金属表面から剥離した薄膜が、マイクロ秒程度まで膜としての形状を保持したまま膨張することを新たに見いだした。

論文

Soft X-ray laser observation of femtosecond-laser-driven ablation of tungsten

錦野 将元; 長谷川 登; 石野 雅彦; 越智 義浩; 河内 哲哉; 山極 満; 加藤 義章*

Chinese Optics Letters, 13(7), p.070002_1 - 070002_3, 2015/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.97(Optics)

Ablation dynamics of tungsten irradiated with a 70-fs laser pulse is investigated with X-ray interferometry and X-ray imaging using 13.9 nm soft X-ray laser of 7 ps pulse duration. The evolution of high density ablation front of tungsten is presented. The ablation front expands to around 120 nm above the original target surface at 160 ps after fs-laser irradiation with the expansion speed of approximately 750 m/s. These results will provide important data for understanding ablation properties of W, which is a candidate material of the first wall of magnetic confinement fusion reactors.

論文

軟X線レーザープローブによるフェムト秒レーザーアブレーション機構の照射強度・物質依存性の観測

長谷川 登; 富田 卓朗*; 錦野 将元; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 河内 哲哉; et al.

JAEA-Conf 2015-001, p.17 - 20, 2015/07

軟X線レーザーをプローブとした干渉計を構築することで、フェムト秒レーザーアブレーション過程におけるexpansion frontとablation frontの同時計測に成功した。これにより、フェムト秒レーザーアブレーションのダイナミクスの全体像を実験的に得ることに成功した。更に金とタングステンのexpansion frontの形状を比較することにより、アブレーション過程が局所的な照射強度と加工閾値に強く依存していることが示された。これは、照射レーザーのプロファイルの制御により、expansion frontの形状が制御可能であることを示しており、過渡的な光学素子の形成等への応用が期待される。

論文

Non-thermal effects on femtosecond laser ablation of polymers extracted from the oscillation of time-resolved reflectivity

熊田 高之; 赤木 浩; 板倉 隆二; 乙部 智仁; 錦野 将元; 横山 淳

Applied Physics Letters, 106(22), p.221605_1 - 221605_5, 2015/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:13.81(Physics, Applied)

時間分解反射率測定法を用いて透明高分子のフェムト秒レーザーアブレーションダイナミクスを追ったところ、アブレーション閾値以上の強度のポンプ光入射後に反射率の振動を観測した。本振動は試料表面と、非熱効果によって試料から剥離した薄膜において反射したプローブ光の干渉によるものであると結論付けた。

論文

タングステンにおけるフェムト秒レーザーアブレーション過程の軟X線レーザー反射・干渉観測

錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 馬場 基芳*; 南 康夫*; 河内 哲哉; et al.

レーザー学会第471回研究会報告; 短波長量子ビーム発生と応用, p.9 - 12, 2014/12

フェムト秒レーザーアブレーションによるリップル形成、ナノスケールアブレーションやナノ粒子生成などに関する興味深い現象が数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。これまでの金や白金に加えて融点の高いタングステンを用いて実験を開始した。フェムト秒レーザー照射によるタングステンのアブレーション過程の解明のために、フェムト秒レーザー(波長795nm、パルス幅80fs)ポンプ・ピコ秒軟X線レーザー(波長13.9nm、パルス幅7ps)プローブを構築し、ピコからナノ秒スケールで起きる金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を行った。レーザー照射の数ピコ秒後から数ナノ秒後の時間領域のサンプル表面でのアブレーション面の膨張過程について軟X線による反射及び干渉計測を行い、アブレーションフロントの表面状態について解析を行った。また、講演ではタングステンと他の金属のアブレーション過程の違いについて考察を行う。

論文

Photocathode RF gunにおけるレーザー-ビーム同期不安定性の環境依存性

上坂 充*; 飯島 北斗; 上田 徹*; 室屋 裕佐*; 作美 明*; 熊谷 教孝*; 冨澤 宏光*

Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.628 - 630, 2004/08

ポンプ-アンド-プローブ法を用いた超高速反応の放射線化学実験では、ポンプ・ビームとプローブ・レーザーのパルス幅が短いことも重要であるが、2つのパルスの時間同期も精度に対する重要な要因となる。本研究ではMgフォトカソードRF電子銃とシケイン型圧縮器を用いたリニアックからの電子ビームとフェムト秒モードロックレーザーで、ピコ秒からサブピコ秒の時間分解能実現してきた。しかしながら短時間では安定な時間同期も、レーザー室の温度変化に敏感で、1時間程度では10psのタイミング・ドリフトを起こすことがある。これは、レーザー室の温度変化に伴い、レーザー共振器中での光の行路長が変化し、発振周波数が変化することで、RFに対するタイミングがずれることにより起きる。行路長の変化は、共振器長自身の変化に加えて、結晶の屈折率が変化する場合の2つに起因している。現在、この解決策として、共振器とフォトカソード電子銃の間に光学遅延装置を置き、共振器でのタイミングのずれを補正する装置を開発中である。

論文

Yb系全固体超短パルスレーザー; 半導体レーザー励起・高出力フェムト秒レーザー

西岡 一*; 河仲 準二

光アライアンス, 14(11), p.21 - 25, 2003/11

原研光量子科学研究センターでは小型・高効率で高繰り返し可能な次世代超短パルスレーザーとして半導体レーザー励起によるYb系レーザーを研究開発中である。同レーザーの実現によりレーザー加工などの従来の応用分野の急速な発展や高強度場科学などの新規分野の開拓が大きく期待されている。本報告では、半導体レーザーによって直接励起でき、簡単な構成で高出力の超短パルス光を発生できるYb系レーザーの特徴と、光量子科学研究センターで行われた最先端のレーザー装置の開発について概説した。

論文

30-mJ, diode-pumped, chirped-pulse Yb:YLF regenerative amplifier

河仲 準二; 山川 考一; 西岡 一*; 植田 憲一*

Optics Letters, 28(21), p.2121 - 2123, 2003/11

 被引用回数:86 パーセンタイル:93.67(Optics)

原研光量子科学研究センターでは次世代超高ピーク出力レーザーとして半導体レーザー励起によるYb系固体レーザーの開発を行っている。これまで半導体レーザー励起によるフェムト秒発振器の開発に成功し、今回、発振器に続く初段増幅器として再生増幅器の開発を行ったので報告する。発振器からのフェムト秒パルスをファイバーにより1.2nsにまで時間伸張し再生増幅器に注入する。再生増幅用レーザー媒質としてYb:YLF結晶を用い、これまでの基礎研究から得られたデータをもとに、同材料を液体窒素クライオスタットで冷却することにより超短パルスレーザー材料としての特性を劇的に高めた。これにより再生共振器内を12往復した後、30mJの出力が得られた。これは、半導体レーザー励起のフェムト秒レーザーとしては最高出力である。増幅率は10$$^{9}$$倍であり初段増幅器としての性能を十二分に達成できた。また、回折格子ペアによるパルス圧縮を試みた結果、12mJ, 800fsの超短パルスを得ることに成功した。したがって、本システムのみで応用研究、例えば、バイオや物質加工,表面処理などの研究を遂行できることを示した。

論文

高繰り返し高強度超短パルスレーザーを用いた実験室宇宙物理学の可能性

西内 満美子; 大道 博行; 高部 英明*; 松門 宏治*

レーザー研究, 31(11), p.711 - 720, 2003/11

天体物理の分野で見られるような極限状態は、近年における超高強度レーザー研究の発展により、広いパラメータにわたるプラズマが生成可能になり、地上の実験室で広い範囲の天体プラズマが生成可能になった。超高強度レーザーをターゲットに照射した時にできるプラズマは超高密度・超高温度の状態にある。このようなプラズマの内部における物理過程は、宇宙における天体現象を支配している物理過程と同様であることが期待される。これから、超高強度レーザーを用いたプラズマ実験が、宇宙における極限状態:「模擬天体」を提供でき、宇宙物理における弱点を補うことができるものと期待される。具体的には流体力学,原子物理,輻射輸送,相対論的プラズマ,核反応プラズマ,重力相互作用等の課題が、両者のオーバーラップする研究領域となっている。本論文では、これら実験室宇宙物理の観点で位置づけて具体的実験例を紹介している。

論文

Second-harmonic generation of ultra-high intensity femtosecond pulse with a KDP crystal

青山 誠; 張本 鉄雄*; Ma, J.; 赤羽 温; 山川 考一

Optics Express (Internet), 9(11), p.579 - 585, 2001/11

 被引用回数:22 パーセンタイル:70.18(Optics)

チャープパルス増幅法により、超高出力フェムト秒レーザー光発生が可能となり高強度光電場と物質との相互作用の研究やX線発生等に関する研究が盛んに行われている。レーザーとプラズマとの相互作用研究においては、高効率にレーザーエネルギーを輸送できるなどの利点によりレーザー光の短波長化が求められている。さらに非線形結晶を用いた波長変換により、プラズマ実験で重要になるレーザー光のコントラスト比の向上が期待できる。今回、高強度レーザー光高効率波長変換を目指し第2高調波発生実験を行った。実験には厚さ1mmのKDP結晶(typeI)を用いた。また基本波レーザー光はチタンサファイアCPAレーザーシステムの前段増幅部を用い、中心波長とスペクトル帯域は再生増幅器中のスペクトルフィルターにより制御され、中心波長800nm,パルス幅134fsである。実験では強度が192GW/cm$$^{2}$$のときにエネルギー変換効率約80%が得られた。本結晶厚では、分散による第2高調波のパルス幅伸張はほとんど無視できる。本波長変換では複雑なレーザー制御を必要とせず、簡便なセットアップで高効率に波長変換を行うことができる。

論文

Noncollinear second-harmonic generation with compensation of phase mismatch by controlling frequency chirp and tilted pulse fronts of femtosecond laser pulses

青山 誠*; Zhang, T.*; 塚越 幹郎*; 山川 考一

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(6A), p.3394 - 3399, 2000/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.11(Physics, Applied)

フェムト秒レーザー光の高効率第2高調波発生を目指し、非平行配置による波長変換法の研究を行っている。本方式では、回折格子によって入射基本波レーザーパルスの波面を変えて、非線形光学結晶に斜入射させる。これにより第2高調波は入射波面に垂直に出射する。入射波の伝搬方向を調整することによって第2高調波の伝搬方向における群速度不整合を補償することが可能になる。本研究ではこの波長変換法を用い、さらに、回折格子で進行波に変換する際に生じる位相不整合の問題を改善するために、基本波の周波数チャープ量を制御することで位相不整合の補償を行った。基本波に周波数チャープがない場合、位相不整合のためエネルギー変換効率は0.4%以下と見積もられたが、周波数チャープを与えることにより位相不整合が補償されてエネルギー変換効率が30.1%に改善される実験結果が得られた。周波数チャープによる位相不整合補償のシミュレーションで調べた結果では、この変換効率はSHG-FROGの計測によるチャープ量から求まるエネルギー変換効率の最大値とほぼ一致した。また、第2高調波のパルス幅は、基本波のパルス幅が180fsに対して、基本波強度が約40GW/cm$$^{2}$$までは、約139fsでほぼ一定になるシミュレーション結果が得られた。本論文では実験結果とシミュレーション結果について発表する。

論文

Efficient noncollinear second-harmonic generation with proper frequency chirp and tilted pulse fronts femtosecond laser pulses

青山 誠; Zhang, T.*; 塚越 幹郎*; 山川 考一

Japanese Journal of Applied Physics, 39(5A-Pt.1), p.2651 - 2652, 2000/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.61(Physics, Applied)

高エネルギー・チタンサファイア・フェムト秒レーザー光の短波長化による、さらなる応用研究の拡充を目的にフェムト秒レーザー光の高効率波長変換の研究を行っている。従来の方法でフェムト秒レーザーを波長変換する場合、群速度、位相不整合により変換効率が低下する問題点がある。この問題点を克服するために、われわれは非平行配置型のチタンサファイア・フェムト秒パルスレーザー光の第2高調波発生について研究を行っている。本方式では、回折格子のような分散素子によって入射基本波レーザーパルスを進行波に変換した後に非線形光学結晶に斜入射させ入射角を制御することによって第2高調波の伝搬方向における群速度不整合を補償することが可能である。さらに、基本波レーザーパルスの周波数チャープを制御することで位相不整合補償が可能である。今回、基本波レーザーパルスの周波数チャープによる位相不整合補償の実験的検証を行った。実験では基本波レーザーパルスの非線形結晶への入射角を位相不整合条件に設定した。基本波レーザーパルスに周波数チャープがない場合、エネルギー変換効率は計算上0.4%以下であった。しかし、周波数チャープにより位相不整合を補償することでエネルギー変換効率が30.1%に改善される実験結果が得られた。本論文では、この実験結果について発表を行う。

論文

Experimental results of laser wakefield acceleration using a femtosecond laser pulse

神門 正城; Ahn, H.; 出羽 英紀; 小瀧 秀行; 上田 徹*; 上坂 充*; 渡部 貴宏*; 中西 弘*; 小方 厚*; 中島 一久

Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 38(8B), p.L967 - L969, 1999/08

 被引用回数:23 パーセンタイル:69.02(Physics, Applied)

われわれは世界で初めて、T$$^{3}$$レーザーと呼ばれる小型の超短・大出力レーザー(典型的なパラメータは、100fs,$$>$$2TW)によって作られるレーザー航跡場へ17MeV,1nc,10psの電子ビームのシングルパルスを同期させて入射して電子加速を行った。その結果、理論的に予想される最も高いエネルギー利得が得られる共鳴密度(4$$times$$10$$^{17}$$cm$$^{-3}$$)よりも高い密度において、100MeVを越えるエネルギー利得を得た。これは高密度領域では、イオン化フロントにおける密度勾配でレーザーが変調を受け、効果的に航跡場を励起しているためだと考えられる。

口頭

Photomechanical effects on femtosecond-laser ablation of fused silica studied using time-resolved reflectivity

熊田 高之; 赤木 浩; 板倉 隆二; 乙部 智仁; 横山 淳

no journal, , 

石英の時間分解反射率測定において周期60psの明瞭な振動を観測した。振動周期はプローブ光波長に正比例することから、この振動はコヒーレントフォノンのような反射面の物理的な振動ではなく、試料表面と非熱効果により剥離した薄膜表面における反射波の干渉であることを突き止めた。

口頭

時間分解反射率の振動から探る高分子のフェムト秒レーザーアブレーション

熊田 高之; 赤木 浩; 板倉 隆二; 乙部 智仁; 横山 淳

no journal, , 

フェムト秒レーザーアブレーションされた高分子試料の時間分解反射率に、60-100ps周期の振動が観測された。周期がプローブ光波長に正比例する等の理由から、この振動は試料表面と非熱効果により生じた膜上剥離体における反射波の干渉と結論つけた。本結果は熱耐性が非常に低い高分子においても非熱効果が重要な役割を担うことを示す。

口頭

フェムト秒フィラメンテーションを伴う金属微粒子の生成

中島 信昭*; 山中 健一*; 八ッ橋 知幸*; 谷口 誠治*; 佐伯 盛久; 大場 弘則

no journal, , 

フェムト秒レーザーパルスで金属イオン(Ag, Au, Pd)を含む水溶液等を励起すると、微粒子ができる。今回のパルスの強度はようやくフィラメンテーションを引き起こす程度に弱く、従来のフェムト秒パルスの実験の約1/1000の弱さであった。生成機構はフェムト秒パルスにより溶媒がイオン化され、その結果生成する溶媒和電子により金属イオンが還元された、として解釈できる。しかし、多光子励起により引き起こされた可能性も残る。

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